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下関市立先人顕彰館(愛称:田中絹代ぶんか館)その②「キヌヨ」のこと

下関市田中町5-7 [Google Map]
083-250-7666
9:00~17:00
休館日/火水
地図や駐車場など詳細な情報はこちら

実は、有形文化財・日本遺産なんです!

皆様、こんにちは。山乃撫子です。前回、下関にある下関市立先人顕彰館「田中絹代ぶんか館」の田中絹代についてお伝えしました。今日は、その記念館がある建物についてご紹介したいと思います。

下関市立先人顕彰館は、愛称「田中絹代ぶんか館」といい、昭和日本の大女優・田中絹代の記念館があります。建物は3階建て。エントランスホール、ミニホールと文学館が1階、2階は田中絹代記念館、3階は屋上と小さなラウンジがあります。ちなみに建物の名誉館長は、2018年に亡くなられた直木賞作家・古川薫氏。名誉館長時代の記録を選択してまとめた小さな冊子『名誉館長のつぶやき記』には、その日々も記録に残されています。また1999年に老朽化を理由に取り壊しされる予定だったところ、市民の尽力により残った建物です。

さて、田中絹代ぶんか館(私にはこちらの方が呼びやすく、親しみ込めて「キヌヨ」と呼んでいます)。市の有形文化財でもあることをご存じでしょうか。実は下関・門司には、旧英国領事館をはじめ、国や市の有形文化財などが32ほど点在していて、2021年に「関門“ノスタルジック”海峡」として日本遺産に認定されました。その一つが、この「田中絹代ぶんか館」です。

建物の正面。

「キヌヨ」の歴史

「キヌヨ」は、1924年(大正13年、もうすぐ100年!)旧逓信省(ていしんしょう=郵便・通信を管轄する旧中央官庁・国の行政機関の一つ)電信局電話課庁舎として建設されました。大正時代といえば、女性が社会進出が進んだ時代。電話局で働く電話交換手の仕事は、女性の花形・人気職業の一つでした。2階は、女性交換手たちが働いていたオフィスです。だから、この2階に「田中絹代記念館」があるのですよ!日本2人目の女流監督であり、大女優田中絹代にちなんで、女性の活躍を応援したい。そんな記念館なのです。女性活躍を促進する教育や福利厚生も充実していたそうです。現状を絹代さんはどのように評価するでしょうか。生きていたら、お話ししてみたかったな。

一階のロビーの様子。

「キヌヨ」の建築様式

外観

さて、外観は西洋建築基盤の石柱が並びます。そして、エントランスがある正面と、半円の赤い屋根や3階の窓が見える田中川サイド(横)では、少し印象が異なります。

日本銀行下関旧支店長・岩下直行氏の著書によると、これは、明治維新後に入ってきた伝統西洋建築から日本独自の近代建築の運動グループ「分離派」と呼ばれるデザインとのことです。(だいぶざっくりした説明でごめんなさい。)かなり大きな建物ですが、石柱が影や光を作ってフォトジェニックな絵を作ってくれます。11月のキャンドルナイトはとても幻想的です。(2019年の写真が見つからなかった。。。)

内装

館内の装飾も結構見ごたえありです。名誉館長室や2階・田中絹代記念館の天井、壁などおしゃれなデザインになっています。2階の装飾は隠れていたものが、1994年の調査でお宝発見!だそうです(笑)。特に2階の天井は本当に美しくて、ずっと眺めていられます。

天井デザイン。おしゃれです。
壁の装飾。
まさに西洋デザイン。

それから、あまりイメージができないのですが、2階に滑車用フックとそのフックを使って電話交換の機材を引き上げるための四角い穴があります。さて、どんな機械が引き上げられたのか?ご存じの方、「かんもんノート」まで是非お知らせください。

滑車。

屋上はオープンになっていて、お天気の良い日は本当に気持ちがよい!空が高い!気持ちがよいです。

屋上!気持ちいい!

当時も休憩室だった場所は、小さな資料スペースや本もあります。

そこから降りる階段は、なんだか雰囲気があります。大きな窓からは田中川添いの景色が見えたりして。当時の人たちはどんな景色を眺め、どんな気持ちでこの階段を下りたのかしら、なんて。

https://kinuyo-bunka.jp/facilities/history/

半円の窓も西洋デザイン。

一階にはレンタル可能なミニホールがあります。こちらもいろいろな利用方法ができ、とてもリーズナブル。4月1日より、夜のミーティング利用ができる設定にリニューアル!!なお、残念ながら音楽など音出しの利用はできないようですが、他のことなら一度ご相談してみてください。大きな窓から差し込む光は、ヨーロッパの教会にいる気分にさせてくれます。さぁ、あなたも「キヌヨ」に行ってみませんか?

ミニホール。
外スペースも利用できます。

「田中絹代ぶんか館」の地図や駐車場など詳細情報

下関市立先人顕彰館(愛称:田中絹代ぶんか館)
下関市田中町5-7
083-250-7666
9:00~17:00
休館日:火水
駐車場なし/市役所パーキング、コインパーキング利用のこと
※ミニホールの使用料(税込)540円から1800円、使用時間により異なります。※18時以降の夜間利用の場合、10日前までの申請が必要。
田中絹代ぶんか館HP

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山乃 撫子
山乃 撫子
2017年、先祖代々の地「下関」を世界に広めたいと移住。
人にもスポットを当てながら、関門の魅力を発掘・拡散していきたいと思います。
よろしくお願い致します。
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