お店(飲食以外)

下関が誇る伝統工芸品「赤間関硯」

下関市南部町22-19[Google Map]
083-246-1211
9:00~17:00
無休(年末年始除く)来店時はご一報ください。
地図や駐車場など詳細な情報はこちら

下関市役所のすぐそば。

赤間関(あかまがせき)硯本家・玉弘堂(ぎょくこうどう)は、下関市役所のすぐそばにあります。なんと、そこは日本工芸会正会員で山口県指定無形文化財赤間硯保持者の堀尾信夫さんの硯工房。

お弟子さんは同じく日本工芸会正会員の髙原祐二さんと、美容室勤務をされている中村一姫さんのお二人。

玉弘堂の創業は1896年(明治29年)。山口県を代表する伝統工芸品の一つ、赤間硯の製造販売をしているお店です。皆様、ご存じでしたか?

堀尾さんと髙原さんはとても気さくな方です。4代目の信夫氏は、この下関•唐戸の変貌も見てきていました。

昭和26年(1952年)に「唐戸の大火」という大火事があり、それを屋根の上から見たという興味深いお話、現市役所がある場所の以前の風景、父・卓司氏に連れられて日展を見に行くのは「月見うどん」が食べられるから、という子供時代の思い出も話してくださいました。

また髙原さんの弟子入りしたきっかけが、堀尾さんの奥さんとの卓球だったとのこと。そんな微笑ましいエピソードや、伝統工芸の家系に生まれ育った堀尾さんの本音が聞くことができ、丁寧にいろんなお話ししてくださり、楽しい時間をいただきました。

赤間関硯の歴史と特徴

さて、赤間硯のこと。

下関では「赤間関(あかまがせき)硯」と言われてきました。赤間関は下関の昔の呼び方なのはご存じでしょうか。

昭和20年に廃業した赤間関硯の元祖「大森家」が、1395年に京都から門司にきて硯を彫り始め、 15世紀末に下関(赤間関)に転居して、江戸時代には毛利藩の御用硯師を務めていたとの記録があるそうです。下関で硯が作り始められてから530年ほどの歴史があるんですよ!

赤間関硯の特徴は、赤褐色=チョコレート色(四角の「黒」しか思い浮かばない素人の私)、暖かみ、柔らかさ、粘り。確かにツルツル!この硯を使った墨汁は粒子が細かくなるそうです。墨汁や紙の組み合わせで、タッチも違うそうです。奥が深い。また、造形作家には魅力の素材とのこと。

原料の赤間石は、一億年前の火山噴火により噴出した火山灰などが水底に堆積して、圧力と熱を受けてできた「赤色頁岩(せきしょくけつがん)」というそうです。そんな岩からできていることを考えるだけでも、もう貴重すぎ! 実は、赤間神宮の後ろにある「紅石山(べにしやま)」は、この赤色頁岩でできた山。現在、岩肌は見えませんが、昔は、この紅石山や門司でも赤間石を採掘していたのですが、採石が不可となり、1741年に現在の山陽小野田市で赤間石が発見され、現在は宇部市・西万倉(にしまぐら)の山中で地域の職人さんが採石しています。

デザイン

玉弘堂さんの硯には、いろいろなデザインがあります。椿、蘭など、図案は先代の卓司氏からのもの。

卓司氏は 第二次大戦中、昭和18年に硯の技術保存者として日本の硯職人の中で3人選定された内のお一人だったそうです。同じデザインでも少しずつ変わっていったり、サイズが違ったりして。 シンプルな図案の方が、彫るのが難しいそうです。私は椿が好きですが、皆さんはどれがお好みですか?

彫刻でもあるので、なんとも言えない優しい感じの印象なのは、図案なのか、削り方なのか、お人柄? Artです。そして、道具もたくさんあります。

大きめの鑿は、肩に当て上半身を使って、石を削ります。ちなみに、墨をする面を「陸」、墨を入れる墨だまりを「海」と呼ぶそうです。風情がありますねえ。

削り終わったら、硯を研磨してツルツルにします。その時に水を入れる檜桶も、修理しながら50年以上使い続けているもの。道具を大事にする心。見習わないと。そうそう、2022年12月、中田英寿さんが「にほんもの」の取材で来店されたそうです!! なぜなら、堀尾さんと高原さんは、日本伝統工芸展で何度も入選する作品を作っている作家さんだからです。広まったらいいな。

現在、髙原さんは、堀尾さんの一番のお弟子さん。硯だけでなく、出展用の作品も製作していますが、お二人が硯を作らなくなったら、この赤間関硯の歴史はここで終わってしまうのです。

下関が誇れる無形文化財「赤間関硯」の継承を、心から強く願います。硯にご興味のある方、ぜひ、かんもんノート、もしくは堀尾さんまで直接ご連絡ください。石を削る体験もできます。書道をされる方はもちろん、赤間関硯を間近に見るのも素晴らしい体験になります。年に一度、新年の抱負を書初めする程度の筆者ですが、この赤間関硯を使った墨汁で書初めをしてみたい!玉弘堂さんで、世界に誇れる下関の伝統工芸品に触れてみましょう! 山乃撫子がお届けしました。

「赤間関硯工房・玉弘堂」の地図や駐車場など詳細情

赤間関硯本家「玉弘堂」
下関市南部町22-19
082-246-1211
9:00~17:00
無休(年末年始を除く)
駐車場なし:来店時は予約してください
赤間関硯の世界

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山乃 撫子
山乃 撫子
2017年、先祖代々の地「下関」を世界に広めたいと移住。
人にもスポットを当てながら、関門の魅力を発掘・拡散していきたいと思います。
よろしくお願い致します。
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