生活

関門に欠かせない「パイロット」のお仕事

皆様、こんにちは。山乃撫子です。朝夕すっかり秋の空気になりました。『食欲の秋、読書の秋』ももうすぐそこまで来ています。さて、あなたは「関門に欠かせないパイロット」たちがいるのをご存じでしょうか?

関門橋を眺めていると、関門海峡でこんなボートを見かけたことはありませんか?

実は、これこそ「関門に欠かせない船のパイロット」=水先人と呼ばれる仕事人が乗っているボート。筆者は、このボートは海のパトロールで、無断で走っている船や危ない船を監視するものだと思い込んでいました。時々、手を振ってみたりしてました(苦笑)。

さて、「水先人」という仕事はどんな仕事なのでしょうか。関門水先人会の会長・橋本敏道さんにお話を伺いました。日本には水先区と呼ばれる港が35区あります(その一つが関門です)。各水先区にはそれぞれの特徴があり、その特徴をしっかり把握し、気象状況、潮の流れ、視界などの状況判断をして、船長に代わり、船の出入港の指揮をすることが、水先人の仕事です。全国には約670人の国家資格を持つ水先人がいて、そのうち37人が関門水先人会に所属しています。以前は、一定の船長乗船経験を持つ人しか水先人の資格を持てなかったそうですが、だんだん船長乗船経験を持つ人も減ってきたため、平成19年、乗船経験がなくても国家資格を受けられる仕組みになったとか。現在は1~3級が設けられていますが、3級は35歳、2級は45歳、1級は62歳までに試験を受ける必要があるとか。その試験で行う海図描画を見せていただきました。まず、海図を見て、ブイや地形の角度や距離など正確に覚えたものを、白紙に縮図のマスから自分で測って書き込み、作図をする。定規と分度器を駆使、間違えたらその時点からすべてが間違ってしまうという、非常に難易度の高いものでした。はぁ~。すごいなぁ。数字や作図好きには向いている作業かもしれません。

海図と海図描画。細かい数字も全部覚えるんだそうです。

さらに、毎日30~40隻の指揮の依頼を受け、交代で仕事に向かいます。多い時は一人一日3~5艘。18時間勤務、間が空くときもあるとのことですが、一仕事の責務を考えると、とてつもなくヘビーに感じます。特に関門海峡は、潮の流れも速く、渦ができやすい環境などで船が巻き込まれやすいこともあるので、より慎重でかつ迅速な判断が必要となるそうです。またこの水先人の仕事は、各国の船長とのコミュニケーションが必要になるため、英語で指揮ができるよう訓練します。関門水先人会は1904年に創立。100年前からインターナショナルな仕事があったんだなと改めて感じました。そして、世界中にその地域に特化した「海のパイロット」がいることも知りました。

リアルなシミュレーター室。この辺では関門しかないので、九州からも練習しにくる人がいるんだそうです。

 

水先人の醍醐味は「船長の代わりに船を安全に港につけることの達成感に尽きる」、と橋本さん。今度、海峡や海で「PILOT」ボートを見つけたら、それは「海の仕事人=水先人。」ぜひ「お疲れ様です」とつぶやいてみてください。もしくは、敬意を表して手を振ってみてください!

門司港駅から徒歩数分のところに、オフィスがあります。

 

ABOUT ME
山乃 撫子
山乃 撫子
2017年、先祖代々の地「下関」を世界に広めたいと移住。人にもスポットを当てながら、関門の魅力を発掘・拡散していきたいと思います。よろしくお願致します。